石岡のお祭りを最大限に楽しむ9つのポイント

石岡のおまつりは、関東三大祭りのひとつにも数えられ、地元関係者のみならず、県内外からも観光客が集まる人気のおまつりです。

そのような石岡のおまつりを最大限に楽しむ9つのポイントを紹介します!初めて行く人も、そうじゃない人も、9つのポイントを知って存分に楽しんでください。

石岡のおまつりとは

石岡のおまつりを最大限に楽しむ9つのポイントを紹介する前に、まずは石岡のおまつりはどのようなものなのか、概要やその歴史について紹介します。

石岡のおまつりの概要

「石岡のおまつり」の正式名称は「常陸國總社宮例大祭(ひたちのくにそうじゃぐうれいたいさい)」です。

茨城県石岡市で開催されるこのおまつりは、「正月やお盆に帰省しなくてもおまつりには帰る」と言われるほど、地元出身者が毎年楽しみにしているおまつりです。

今では参加するのは、地元関係者のみならず観光客も多く、県内外からも多くの人が集まる、関東でも屈指の大きなおまつりです。

基本情報

期間 9月の「敬老の日」を最終日とする3連休(計3日間)
会場 茨城県石岡市内 中心市街地
アクセス 電車 JR常磐線「石岡駅」西口より徒歩すぐ
お問い合わせ 石岡市観光協会
TEL: 0299-43-1111

石岡のおまつりの日程

石岡のおまつりは毎年9月の全4日程で開催されます。9月15日に神社にて、神事(しんじ)と呼ばれる儀式が行われます。この儀式に一般客は参加することができません。

その後、9月の第3月曜日の祝日「敬老の日」にかけて、土曜日・日曜日・月曜日と、3日間のおまつりが開催されます。各日の開催内容は以下の通りです。

1日目 行列、幌獅子(ほろじし)とともに、大神輿(おおみこし)が本殿(ほんでん)である常陸國總社宮から御仮殿(おかりや)に向けて出発します。
2日目 常陸國總社宮にて、相撲や巫女舞(みこまい)などが奉納されます。また、駅前通りでは幌獅子や山車(だし)の大行列が行われます。

2日目が一番活気に溢れると言っても過言ではないでしょう。

3日目 大神輿が御仮殿から本殿の常陸國總社宮へ戻ります。

石岡のおまつりの歴史

石岡のおまつりの始まりは古く、1,000年以上の歴史がある「常陸國總社宮(ひたちのくにそうじゃぐう」を中心に、豊作を祈願するために行われてきたと言います。その豊作祈願が今の石岡のおまつりの形となったのは、明治時代のことです。

明治時代に神輿が町を練り歩くようになり、時を経て徐々に規模が大きくなってきたと言います。そして、「石岡のおまつり」で重要なのは「年番制度(ねんばんせいど)」です。

毎年交代で市内にある1つの町が「年番町」となり、町ぐるみで常陸國總社宮へ奉仕したり、おまつり期間中に大神輿を迎え入れる御仮殿を町内に設けたりします。現在まで引き継がれている年番制度が確立したのも明治時代です。

石岡のおまつりを最大限に楽しむ9つのポイント!

それではここからは、「石岡のおまつりを最大限に楽しむ9つのポイント」を紹介します。せっかくおまつりに参加しても、見どころを逃してはもったいないです。参加した後で後悔しないためにも、先にポイントを押さえておきましょう。

豪華な「山車」

石岡のおまつりの山車は大きく迫力があり、豪華であることで有名です。それぞれの山車は石岡市内の各町が用意します。特徴として、まず山車は2〜3層で、屋根はありません。屋根の代わりに一番上にあるのは、各町独自の2mほどの高さの人形です。

人形だけでも2mほどあり、見ないまでもかなりの大きさであることが想像できます。なお山車が練り歩く際、この人形の側につくのは「人形守り(にんぎょうもり)」と呼ばれる人たち。

数名で、山車が練り歩く際に、人形が障害物にぶつからないよう守ります。1層目は台座が回転する仕組みの「舞台」となっています。

この舞台で太鼓・笛・鉦(かね)を用いて石岡囃子(いしおかばやし)が演奏され、面と衣装を着た踊り手が囃子に合わせて踊ります。なお、この山車に乗るのはなんと15名程度です。

かなりの大人数であることも、その大きさを物語っています。ちなみに、山車の一番上にある人形の中には、聖徳太子(しょうとくたいし)や菅原道真(すがわらのみちざね)、神武天皇(じんむてんのう)など、日本の歴史に名を残した人たちの人形があります。

その中でも石岡のおまつりを代表すると言っても過言ではないのが、「日本武尊(やまとたけるのみこと)」の人形です。石岡市の有形民俗文化財にも指定されているこの人形の力強さに圧倒されること間違いありません。

山車の人形は各町独自のものです。山車を見るときは、人形に注目するのも楽しみ方の一つと言えるでしょう。なお、山車を先導するのは「梃子きり(こてきり)」と呼ばれる若者たちです。この山車が練り歩く様子を駅前通りで見られるのは、おまつり2日目土曜日の夜の時間帯。各町の工夫された山車と熱気溢れるパフォーマンスは必見です。

獅子舞(ししまい)とは違う「幌獅子(ほろじし)」

「幌獅子(ほろじし)」も、石岡のおまつり特有で、絶対に見逃すことのできない見どころのひとつです。山車と同様、石岡市内各町がそれぞれの幌獅子で町を練り歩きます。そもそも幌獅子とは、獅子頭(ししがしら)と言われる獅子舞の頭の部分を、なんと小屋を載せた大型の荷車の先頭につけたもの。

獅子頭だけでも幅約50cm、重さは約20kgほどで、お祭りでよく見かける獅子舞に比べると、遥かに大きく迫力のあるのが幌獅子です。そして小屋は幅2m、奥行5m、高さも2.5m程度あるのですが、この中に囃子蓮(はやしれん)が乗り石岡囃子を演奏するのです。

その他の特徴として特徴として、この荷車の上の小屋には、銅幕がかけられており、その色は町ごとに決まっています。小屋をつけた幌獅子は全国でも珍しく、これを目当てにおまつりに集まる見物客も多くいます。幌獅子が町を練り歩く様子は、山車と同じく2日目土曜日の夜の時間帯、駅前通りにて見ることができます。

おまつり本番前の「たたき初め」

石岡のおまつりが正式に開催され、見物できるのは9月の第3月曜日の祝日「敬老の日」にかけての3日間。ですが、市内ではそれ以前からおまつりムードが漂い始めるのです。そのおまつりムードを盛り上げるのが「たたき初め」と呼ばれるもの。

たたき初めとは、おまつり本番の約1週間ほど前から、昼間の時間帯に各町が囃子蓮をマイクロバスに乗せ、演奏しながら市内を周るというものです。夜になると山車の上で、囃子蓮が本番さながらの演奏をして、その様子を町民に披露します。

この際、山車は練り歩くことなく、1つの場所に止まった状態でお披露目されます。石岡のおまつり本番の前から溢れる熱気を感じられるのも、このおまつりの魅力のひとつです。

観光客が少ないところも、おまつり好きとしては嬉しいところです。町によって日程は異なりますが、おまつり1週間前の日曜日に行うところが多くみられます。なお、日程は毎年異なるので、見に行きたい人は事前に調べていくと良いでしょう。

代々受け継がれてきた「年番制度」

石岡のおまつりには「年番制度」があります。

この制度は、石岡市内にある36町のうち15町が1年交代で、大神輿を迎え入れる御仮殿(おかりや)を設けるなど、おまつりでの中心的な役割を果たす制度のことです。そして、その役割を担う町を年番町と呼びます。

御仮殿とは、おまつり1日目に常陸國總社宮から大神輿を迎え入れ、3日目に大神輿が常陸國總社宮に戻るまでの間、’神様の分身が滞在する場所’としての役割を果たします。年番町は御仮殿を設けるのみならず、前年番町から引き継いだ日から、翌年のおまつり最終日に次の年番町に引き継ぐまでの1年間、常陸國總社宮へ奉仕活動を行うことも役割の一つです。

こうして1年前から重要な役割を担う年番町は、言わばおまつりの主役そのものと言っても過言ではないでしょう。また、年番は町民にとって格別です。山車を改修したり、半纏(はんてん)を変更したりと、より一層、熱気溢れるおまつりとなるよう、準備するのです。

そもそもですが、年番制度は明治35年(1902年)から100年以上続く伝統的な制度です。年番町には順番が決まっており、15年に1度、各町はその役割を担うこととなります。また、この年番町の引き継ぎは、石岡のおまつり最終日の夜に行われます。

引き継ぎが行われる場所は毎年変わるので、行く前に情報を得たいものです。

掛け声で盛り上げる「おっしゃい隊」

おっしゃい隊とは、各町の女性が「おっしゃい、おっしゃい、おっしゃいな」などの掛け声を石岡囃子の演奏に合わせて行う、おまつりを盛り上げる存在のことです。町によっては、扇子を使い同じ動きをしたり、掛け声と共に手話をしたりするなど、独自の方法で盛り上げています。

なお、全ての町におっしゃい隊がいると言うわけではありません。町を練り歩く大行列に注目する際は、おっしゃい隊の存在にも注目してみましょう。

見れたらラッキーな「ささら」

ささらとは、おまつりの行列の先頭を歩き、大神輿の露払い(つゆはらい)をつとめる獅子舞のことです。全部で3匹の獅子で「老獅子(ろうしし)」と「若獅子(わかじし)」、そして「女獅子(おんなじし)」と呼ばれています。

顔全体は黒い漆(うるし)で塗られ、女獅子以外は2本の角があります。目や歯などに金箔が施されていることも特徴です。お囃子に合わせて舞を踊ることもあり、その見た目の独特さなどから、非日常を感じることのできる空気感を醸し出します。

石岡のおまつりでは、獅子は30台以上出ますが、露払いの獅子は富田町、土橋町、仲之内町の3町が出します。

このささらを見ることができるのは、おまつり1日目に常陸國總社宮から御仮屋に向けて、そして、おまつり最終日に御仮屋から常陸國總社宮に向けて大神輿の行列が進む際、その先頭で見ることができます。

種類が豊富な「祭面(まつりめん)」

おまつりを盛り上げる迫力ある山車の1層目にいるのが、面をつけた踊り手です。石岡囃子に合わせて、おもしろおかしく踊ります。この面にはさまざまな種類があり、曲に合わせて使う面が変わります。

例えば、「ひょっとこ」の面は仁羽(みんば)という曲に合わせて、「きつね」の面は新馬(しんば)という曲に合わせて用いられます。この他にも多くの種類があるので、演奏によって変わる面にも注目してみてください。

使うと便利なGPSサービス

石岡のおまつりで目的地を探したい時に、GPSサービス「山車・獅子位置情報配信システム」を利用することができます。

サービスの名前からも分かるように、各町の山車・獅子の位置が分かるシステムです。

これを利用することで、人気の山車や見所を逃すことなくおまつりを楽しむことができ、とても便利です。

その他にも、お手洗いや駐車場、コンビニなどの位置情報を併せて知ることができるようになっています。

遠方から初めて来る観光客も迷うことのないように配慮されているシステムです。

特に、アプリのダウンロード等は必要ないので、おまつりに行く当日に利用しましょう。

雨が降ることで有名な「雨祭り」

石岡のおまつりは「雨祭り」とも呼ばれています。

このように呼ばれているのは、まず、このおまつりはそもそも豊作を祈願するためのものだったためです。

豊作のためには雨が降ることが必要です。

おまつりの元の趣旨は、雨を降らすことだったのです。

他にも、おまつりが開催される9月中旬は、台風などが原因で1年の中でも雨が降る可能性が高い時期のため、雨に見舞われることも多くあります。

このように雨が降りやすい石岡のおまつりですが、基本的に雨天でも開催されます。

おまつりに参加する際は、カッパなどの雨具を持参するのが良いでしょう。

傘だと人混みの中で使いづらい可能性もあるので、注意が必要です。

ですが、台風などの荒天の場合は、内容が一部変更される可能性もあるので、事前に確認することが必要でしょう。

石岡のおまつりを楽しむための注意点

それでは、石岡のおまつりを楽しむポイントを抑えたところで、注意点についても確認しましょう。

会場へのアクセスや混雑状況など、予め知っておくと便利です。

会場へのアクセス

会場へは、電車でも車でもどちらでも行くことができます。

電車であれば、JR常磐線(じょうばんせん)の石岡駅が最寄駅です。

石岡駅西口から出てすぐがおまつりの会場となっています。

車両通行止めとなっている時間帯もありますが、山車や獅子などが待機していることから、混雑が予想されます。

混雑を避けるためにも、混みにくい午前の時間帯などに移動しましょう。

車であれば、常磐道(じょうばんどう)・千代田石岡インターチェンジから約10分でおまつりの会場まで行くことができます。

ですが、会場付近は車両通行止めとなる時間帯があるため、事前に駐車場の位置を確認しておくと便利です。

また、当日は臨時駐車場も設けられますが、その駐車場の場所や満車かどうかの情報については、先ほど紹介したGPSサービス「山車・獅子位置情報配信システム」で確認することができます。

また、かなり混雑するため車で行く際も、午前中に到着することがおすすめです。

トイレの場所を事前に確認

おまつりに参加中トイレに行きたくなったら、GPSサービス「山車・獅子位置情報配信システム」でトイレの場所を確認することができます。

トイレは会場周辺にいくつかありますが、おまつりが賑わう時間帯はトイレが混み合ったり、道が混み合ってトイレに到着するまでに時間がかかってしまう場合があります。

参加中は、一番近くのトイレがどこにあるのかを常に確認し、予め困ることのないようにしておきましょう。

人混みを避けたいなら1日目がおすすめ

石岡のおまつりには、茨城県内外から見物客、観光客が集まり、その人数は3日間で40万人以上です。

石岡のおまつりを楽しみたいけど人混みは苦手、という人におすすめなのが、おまつり1日目に参加することです。

2日目は幌獅子や山車を見ることができる夜の時間帯は特に混み合い、また最終日の3日目にも多くの人が訪れます。

遠方から来る人も多いため、1日目は他の日と比較して、人混みを避けることができると言えるでしょう。

まとめ

石岡のおまつりを最大限に楽しむ9つのポイントについて紹介しましたが、いかがでしたか?関東三大祭りのひとつにも数えられ、茨城県内外から来る見物客や観光客で賑わう、有名なおまつりです。

大きな人形や囃子連が乗った大迫力の山車や、各町によって違う幌獅子、大神輿の露払いをするささら、伝統的な年番制度など、見どころはたくさんあります。

石岡のおまつりに行くからには存分に楽しめるよう、9つのポイントを抑えて、また予め注意すべきことを確認しておきましょう。