祭りの風情を味わえる!昭和4年創業の老舗そば店「そば処 丸三」

茨城県石岡市に創業93年の歴史を持つ老舗「そば処 丸三」。
石岡のおまつり期間中には、獅子舞が店内まで入ってくる「門付け」が体験でき、年番順の板も飾られるなど、おまつりを間近に感じられるお店として地元や観光客に親しまれています。
今回は3代目・溝口光幸さんと4代目・溝口俊介さんに、お店とおまつりの関わりについて伺いました。
目次
丸三そばの創業とこれまでの歩みを教えてください。
光幸さん:
うちの創業は昭和4年(1929年)になります。もう90年以上前のことですね。創業は市内の別の場所なのですが、大火があり今の場所に移転をしそれからはずっとここで営業を続けていました、そのあと父が引き継ぎ、そして今は私の代で三代目になります。
昔は本当に小さなお店で、そばだけを出していましたが、時代とともに少しずつ広げてきました。改装したときには、お祭りの古い写真を店内に飾ったりして、昔の雰囲気や歴史を大事にしながら、新しいお客さんにも親しんでもらえるようなお店にしてきました。
昔は石岡の町中には飲食店も多かったんですが、今は少なくなってきました。だからこそ、この店を続けてこられたのはありがたいことですし、地元の方に支えられていると感じます。
おまつりとの関わりについて教えてください。
光幸さん:
お祭りの3日間はね、とにかく休まず営業するんです。昔から町内の人たちが準備を終えてここで食事をしたり、観光に来た方が立ち寄ってくれたりして、ここがちょっとした休憩所みたいになってるんですよ。
光幸さん:
お祭りが終わったあとの片付けを終えた方々が打ち上げで使ってくれたり、私は観光協会の役員もしていますが、お祭り期間中に、なにか観光関連の手伝いをしたりってことはないですね。協会の方々も、お店をやるのが一番と言ってくれていて、お店が自然とお祭りの一部になっている、そういう存在ですね。
俊介さん:
祭りの前も後も、とにかく休まず開けてるので、そうやって人が集まる場所になっているのが嬉しいですね。
おまつり期間中はどんな雰囲気になりますか?
俊介さん:
もう本当ににぎやかです。店の前を山車や獅子が通っていきますし、石岡には、門付けと言ってお世話になっている町内などが、山車を向けてくれたり、獅子舞を披露してくれたりするのですが、時には獅子舞が店の中まで入ってくることもあります。食事しながらお祭りの熱気を間近で感じられるのは、うちの店ならではだと思います。
観光の方ももちろんですが、同級生がふらっと来てくれたり、1年に1回ここで再会できるという人もいてね。お祭りが終わるとちょっと寂しくなるんですが、3日間は本当に笑顔と活気でいっぱいになります。
光幸さん:
山車や獅子舞をすぐ近くで見ながら食事できるっていうのはなかなかない体験ですから、初めて来た方はびっくりされます。そういう特別な時間を過ごしてもらえるのが嬉しいですね。
おまつりに合わせておすすめのメニューはありますか?
俊介さん:
お祭りの期間だけ特別なメニューを出すというよりは、忙しいのでスピード重視になります。いつものそばやカレー南蛮、地元の地鶏を使った親子丼が人気です。暑い時期なので冷たいそばやビールもよく出ますし、昔ながらの“蕎麦屋で一杯”という文化も楽しんでもらえたらと思っています。お祭りの合間にサッと食べられて、しかもちゃんと美味しいというのが大事なんです。
最後に、おまつりの時期に訪れる方へのメッセージをお願いします。
俊介さん:
石岡のおまつりに来たら、ぜひ丸三そばで一休みしてください。ここではお祭りの雰囲気を間近に感じながら、ゆっくり食事ができます。地元の食材を使った料理も楽しんでもらえたら嬉しいですね。
お祭りの3日間は休まず営業していますので、疲れたらぜひ立ち寄ってください。特別な時間になると思いますよ。
店舗情報
※おまつり期間中は、11:00~麺切れまで全日営業しています。
店舗名 | そば処 丸三 |
電話 | 0299-22-2221 |
住所 | 〒315-0014 茨城県石岡市国府3丁目4−10 |
営業時間 | 11:00〜14:30 17:00〜19:30 |
定休日 | 毎週日曜日 第2月曜日 |
HP | https://marusansoba.com/ |
編集後記
俊介さんの弟さんと、筆者が同級生ということもあり、小さい頃から通っていていました。私自身が仕事で東京に出てからは、なかなかお店に立ち寄る機会が減ってしまいました。
その分、おまつりの時に帰省した際に、地元でこうして変わらず営業を続けてくださるお店のありがたさを、改めて感じるようになりました。歴史あるお店が石岡にあり、そしておまつりを通じてその存在を再確認できることも、石岡のおまつりの魅力のひとつではないでしょうか。