石岡のおまつりのお神輿の歴史や格式
石岡のおまつりには、2基の神輿が担がれます。1基を「大神輿(おおみこし)」、もう1基を「明神神輿(みょうじんみこし)」と呼びます。それぞれ、どのような特徴があるか説明します。
大神輿(おおみこし)
常陸國總社宮(ひたちのくにそうじゃぐう)で保管される神輿の中で最も大きな神輿であり、おまつりでも本神輿として用いられるのがこの「大神輿」です。
おまつりの際に、常陸國總社宮の分身が入るのも大神輿です。1989年9月9日に石岡市青木町の棟梁である小井戸彦五郎が制作し、1997年9月9日、栃木県石橋町の神輿師、小川政次により修復されています。
神輿の台座のような役割の部分「台輪(だいりん)」の横の長さは4尺、つまり約151cmで、またその重さは1トンを超えている、かなり大きな神輿です。
神輿自体は金色を基調としていますが、その周りの飾り紐は濃い紫色で、豪華なその見た目は見物する人を圧倒する迫力があります。
また、その大きさの他に注目すべきは、屋根紋です。屋根紋は、天皇家や皇室とゆかりの深い紋章「十六弁菊花紋(じゅうべんきっかもん)」であり、この紋章がある神輿を所有する神社は全国でも20社程度と言われています。
おまつりでこの神輿を担ぐ「担ぎ衆(かつぎしゅう)」は毎年年番町から200名程度募集され、担ぎ衆は決まって白丁(はくちょう)と呼ばれる服を羽織り、また烏帽子(えぼし)を被ることになっています。
またこの大神輿は、おまつりの期間中、年番町が設ける「御仮殿(おかりや)」で2晩過ごします。
明神神輿(みょうじんみこし)
大神輿と比較し一回り小さいのが「明神神輿」です。
おまつり2日目の「奉祝祭(ほうしゅくさい)」に限り、担がれているところを見物することができます。
なぜ、神輿が2基あるかというと、旧天王社(八坂神社)の神輿が1997年に修復される予定だったものの、損傷が激しかったことから「中神輿(ちゅうみこし)」として新調され、常陸國總社宮の明神神輿になりました。
おまつり2日目の奉祝祭に、本殿である常陸國總社宮を出発しその日のうちに元の場所に戻ります。
その途中、「幌獅子(ほろじし)大行列」に合流するタイミングは、おまつりの見所でもあり、見逃すことはできません。